ホムンクルスAIについての独り言
[ラグナロクオンライン]のホムンクルスシステムで使用する ホムンクルスAIのカスタマイズについてのメモ
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モルティシア

Author:モルティシア
何時の間にやら貧乏キャラが定着しそのまま「安ケミ」と呼ばれるようになった「安っぽいケミ」
一時休止していたものの、最近ふたたびホムンクルスのカスタムAIの開発&公開を再開
メマー無しPC3の42転職
[完全製薬・完全露店]キャラ

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ロゼッタ=ハインツ
第65回Ragna★Dream2 で朗読した自作ショートストーリーをのっけてみる

タイトルは無し
――

(・・・ここに来ることになるなんてね)
感慨深げに目の前の門を見上げる
周囲にはモンスターの死骸がいくつか転がり、
仲間は皆、思い思いに進入前の休憩をとっていた

――グラストヘイム古城跡
ここは大昔にかつて栄えていたと言われるグラストヘイムの跡地でありモンスターの巣窟でもある

数々の腕に覚えのある冒険者が立ち向かっていっては
ある者は貴重品を手に帰還し、ある者は帰らぬ者となる

最近でこそ良い装備が市場に普及し、未帰還者は減っているが
それでも生半可な実力では立ち向かえないダンジョンとなっている

思ったより自分が冷静なのが不思議だった
今、この巨大な門を前に思い起こすのは5年前の―――

――
「フェネ?」
「ん、なに?」

彼はフェネガル・ラルバーツ
彼はプロンテラ騎士団に所属する騎士であり、私の愛する人でもあった
「今度は何処に行くの?」
彼がグローブの調子を確かめる時、
それは騎士団から召集がかかり彼が危険なところへ行く時だ
「なんだ、心配してくれてるのか?ロゼッタ」
そう言い、こちらの心配など何処吹く風といった調子で彼は無邪気に笑う
「だって、帰ってくるといつも生傷作ってきてるじゃない」
彼は弱いわけではない、真面目さが枷となり、いつも仲間を気にして最後まで戦陣に残ってしまうため傷が絶えないのだ
「騎士団の仕事なんてしなくても、生活費程度の収入があればいいんだから」
「大丈夫だよ、今回は広がりすぎたゴブリンの縄張りを押し戻すのが任務だから」
そう言い、鼻先を軽く撫でる
彼が考え事をしている時の癖だ
「ゴブリンなんかに後れはとらないさ、今日こそ無傷で帰るよ」
朝食をとり、弁当を抱えて彼は出かけていった
彼は何を考えていたのだろうか?

2日後、彼はまた傷を作って帰ってきた
「いやぁ、ゴブリンリーダーに不意をつかれてね」
とハハハと笑う
「はぁ、分かったから包帯取り替えたらさっさと寝なさい」
そう言い、私は彼の傷口をわざと軽く叩いた
「いでで!ロゼッタ、やめて、痛い!」
「フェネが言って分からないからよ!」
もう一つため息をついて、何か手料理を用意しなきゃと考えていると彼は微笑みながらこう言ってきた
「ロゼッタ、もうすぐ君の誕生日だね」
確か、来週だったはずだ
「君の20歳の誕生日で、僕達が出会って2年目でもある」
彼の懐かしむような視線
あの頃の彼はまだ駆け出しの剣士で、私はただの雑貨屋の店員だった
彼が両手一杯に硬い角と硬い皮をかかえて持って来て、その場で転んでそれらを店内でぶちまけたのだ
それがキッカケで二人は出会い、気がつくとフェネがその店の常連になっていて、いつの間にかフェネが来るのが楽しみになっていた

「そうね、あの頃はまさか一緒に住むようになるなんて思ってもなかったわ」
そう言い、私はフフと笑う
おそらく運命とはこの事を言うのだろう
「今年の誕生日、楽しみにしてていいよ」
イタズラをたくらむ男の子みたいな楽しそうな顔で、彼は親指をたててウインクしてきた
「はいはい、あほな事言ってないであなたは傷を治しなさい」
「ああ、そうだ、もう一つ君に言っておきたいことがあるんだ」
「なに?」
「三日後、傷が治ったらグラストヘイムに行ってくる」
一瞬彼が何を言ってるのか分からなかった
「え・・・?」
「次のグラストヘイムへの遠征のメンバーに選ばれたんだよ」
彼が自慢げに鼻をならすのと対照的に、私は一瞬思考が停止してしまった

この頃はカードなどという特殊な強化道具も普及しておらず、
エルニウムやオリデオコンも非常に珍しい物で、
グラストヘイムへ行くことは相当な熟練者でも死と隣り合わせだった

それだけ彼の実力が高く評価されたのだろう、しかしだからといって・・・
「どうして・・・どうしてフェネが行かないといけないの?フェネは正規の騎士団員じゃないんでしょ?
そんな危険なところに行かなくてもいいのに!」
彼には私の反応は予想外だったようで、少々うろたえていた
「あ、いや、でもさ、前払いで報酬もでかいんだぜ!
もっとロゼッタを楽させてあげられるし、それに・・・」
ここでハッとしてフェネは言いかけた言葉を飲み込んだ
同時に鼻先を軽く撫でる動作
このとき彼は何かを隠してた

それが勘にさわり、私の怒りに火がついた
「『それに』って何よ!言いたいことがあるならはっきり言えば!?
バカは死なないと直らないって言うけど全くその通りね!」
そう言い放ち、家を飛び出した

それから彼がどうしたのかは知らない
二日ほど宿に泊まって過ごし、頭が冷えてから帰ったとき
彼は出発した後だったからだ
プロンテラ城へ行き、騎士団の人に聞くと
フェネは傷も治りきっていないまま、
予定より一日早く隊列に加わったらしい

(・・・フェネが帰ってきたらちゃんと謝ろう)
そのまま2週間ほど一人で過ごした後
彼を待っていた私の元に"彼の遺品"が帰ってきた

撤退命令が出た時、
彼はいつものように味方が離脱するまでその場に残っていたそうだ
そしてグラストヘイムへ遠征に来ていた総計27名の一個大隊の、最後の中隊が離脱する時、外で態勢を整え再編成した救援部隊がこの中隊の逃亡を支援しに向かったのだが、
救援部隊が到着した頃にはその中隊はモンスターの待ち伏せに合って壊滅し、9名居た中隊メンバーのうち二名しか残っていなかったそうだ
その壊滅した中隊のメンバーの中にフェネも含まれていた

そして、遺品といっしょに小箱が渡された
「フェネガルから君に渡して欲しいと預かった物だ
彼はこれを買うために、騎士団からの仕事がないかとこまめに城を訪れていたよ」
小箱の中にはダイヤの指輪が入っていた

その後、なぜか私は無我夢中で武器の扱いを訓練し
剣士となり、騎士となった
多分、私はフェネの近くに居たかったから訓練に励んだのだ
彼が見たであろう景色を見て、彼が体験したであろう出来事を体験して
彼に近付きたかったのだ
そして時々、どうしてもっと早く訓練を始め、彼と一緒に戦えなかったのかと後悔をする

そして現在、一介の冒険者としてグラストヘイムの門の前にいる

今は良い装備が普及し、よっぽどな所でもなければ死の危険は遠く
グラストヘイムのような場所でさえ、冒険者が宝漁りに来る程度の場所となってしまった


「ロゼッタ?」

呼びかけられてハッとし振り返ると、PTの仲間の一人が不思議そうにしていた
「ボーっとしてて大丈夫?体調悪いならポタで戻ろうか?」
「いや、大丈夫、ちょっと考えごとをしてただけだから」
私も手近な倒木に座り、防具の手入れを始めた
20分後にこの上級ダンジョンへ進入することになる
死ぬ危険は少ないとはいえ、モンスターを相手にする以上安全ではない
薬指のお守りに触れる
フェネからの最後のプレゼント
今までもこれがあるから生き残ってこられた、
そしてこれからもフェネが私を護ってくれうるだろう

「そういやさ」
仲間の一人が、思い出したように会話を始めた
「昔、定期的にプロンテラの騎士団がここに派遣されてたよな」
「あの頃はあそこが一番強い組織だったからね~、
あれが無かったらこのあたりは今以上にモンスターに支配されてたよ」
「5~6年前だっけ?」
「そうそう、それでさ」
話題を投下した主は、ニヤリと口元をゆがませた後、オドロオドロしくこう言った
「その時、死亡が確認されないまま行方不明になった人とか結構居たらしいんだよ」
拍子抜けした様子で一人が答える
「それ、仲間からはぐれてそのまま死んだんじゃね?」
「それがさ、今になってもその行方不明者の死骸は見つかってないし、
目を離した隙に死体が忽然と消えたこともあったらしいんだ」
「だからなんだよ?」
「あ、いや・・・すまん忘れてくれ」
恐らく『怖い話』的な噂話を盛り上げの材料として投下したのだろうが
完全に滑ってしまったようだ
まぁ、PT狩りでは良くあることだ

それにしても、ここグラストヘイムは無尽蔵にモンスターが沸いてくる
コボルトやジオグラファーのように繁殖して増えているわけでもないし、
かといってポリンのように分裂でもないし、全く不思議なものだ
その場で死んだ人間がモンスターに変化していると言う説もあるくらいだ

休憩も終わり、グラストヘイム内部へ到着した
次から次へと現れるレイドリックをなぎ倒しては奥へ進んでいく
「おらー!エルニウム出しやがれ!」
かつて恐れられていたグラストヘイムも今やこの有様だ
時代の流れを感じてしんみりしつつ、私も槍を振るう
しかし、ときたま剣の扱いが上手いレイドリックがいるから油断は出来ない

一匹が不意打ちを行い、味方のウィザードが襲われたためそちらの援護に向かう
そのレイドリックは私を見た瞬間、なぜか動きが止まった
「ピアース!」
三連突きが決まり、串刺しになり動かなくなる鎧の魔物
顔のあたりを撫でる動作をしてそのまま崩れ落ちた
(・・・なんだ?今レイドの動きが止まってたような)
「ストームガスト!!」
レイドリックのグローブに見覚えがある気がして
死骸が霧散する前に観察しようとしたが、
ウィザードの呪文により、死骸は観察する間もなく
冷気の霜に埋もれて見えなくなり、
他のモンスター同様に時間と共に霧散していった

(見覚えがあるはずが無い、私はここに来るのは初めてなんだから)
フェネのことを思い出していたからこんなデジャヴを感じたんだろう、
感傷的になっている自分を自覚し、そんな自分が可笑しかった

―レイドリックが消える直前、フェネの声が聞こえた気がしたのも気のせいに違いない―

- END -

以下あとがきとネタバレ



--[[あとがきとネタバレ


実は3通りのラストを考えていたのですが結局このラストにすることにしました
あまり長くても時間がかかってしまうし、オープンチャットで垂れ流すのであちこちの文も結構削ったり調整したりした結果このようになりました

最初に考え付いたのはロゼッタがフェネの面影のあるレイドリックに気付き、動揺している間にそのレイドに殺されるというラスト

しかし書いてるうちに、PTだとこの条件が成り立ちにくいと思い立ち、そうすると一人でGHまで来た理由をどこかに入れないといけないということに
そうするとそのエピソードでまた長くなるので却下

次に考え付いたのはフェネの面影のあるレイドは何らかの理由でモンスター化したフェネ本人で、互いにそれに気付くのだけど最終的にはフェネ本人から「自分を殺してくれ」と告げられるというもの
これも長くなるので却下

三番目に考え付いたのが、フェネの面影のあるレイドに気付いたのだが「勘違いだ」と思い、そのままそのレイドを殺してしまう終わり方、さらにレイドの方は記憶が戻ったような素振りを見せて死んでいきます

これが一番シンプルだったのでこれを採用しました
さらにここで、下書きの時点ではこの後に少し続きがあり
戦闘直後に指輪のダイヤが割れ、この異常から直感的にレイドリックにあるフェネの面影に気がついて
殺してしまった事に絶望し、気が動転している間に他のMobにロゼッタが殺されるというシーンが入ってたのですが容量削減のためにここだけ却下
その後このシーンが無くてもいいように、ストーリー上のフラグをある程度回収できるようにとあれこれ削った結果
ロゼッタは結局レイドに気付かないということで終わらせることになりました

その結果ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、そもそもこのレイドに感じた面影は本当に気のせいなのか?
非常にミステリアスな終わり方になってしまいました

「真実はこれを読んだ人の解釈の数だけあるっていうのもいいな」と思いそのまま使用といった経緯です
個人的にはこういう微妙なの好きなんですけどね、実際に朗読コーナー使用した結果、お客さんの反応は微妙でした

ちょっと曖昧すぎましたね(汗


著者的には、GHのモンスターは元々GHにある怨念に、そこで死んだ冒険者や兵士達の成仏できない魂なんかが加わって日々量産されていると解釈しています

私の中ではこの話はハッピーな方のエンドです
モンスター化してしまった以上、記憶が戻っても恐らく姿は戻らないでしょう
だとするといつかは他の冒険者に殺される運命です
どうせ死ぬなら・・・というやつです
さらに大事な人の元気な姿も見られたのですから、安心して成仏できたのではないでしょうか?

著者の勝手な妄想なので、これが正しいENDというわけではありません
本当にただの勘違いかもしれないし、葬式で遺体を確認するシーンもないのですから、フェネが死んだという証拠もありません
解釈と妄想次第で無限にエンドが存在するのがこのお話です

妄想の数だけエンドがあるということで曖昧に締めたいと思います
--]]
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